人にものを教えると言うこと [僕の意見(社会問題)]
塾講師のアルバイトをしていて思うこと。
ある大きな塾に属していて、その一員として塾講師をしています。
その塾の目標自体、偏差値・成績UP、志望校合格です。
確かに、それが塾として大事なのはわかります。
それを親御さんたちが望み、我が子を高いお金を払って塾に通わせているのだから。
でも、その中で思うこと。
なんというのかな、勉強を好きではない人間が、自分がしてこなかった人間が、「いい学校」に入るために、「成績」をあげるために勉強しろと生徒を諭す。
しかし、そういわれたからってやるでしょうか?
その必要性をうまく説くことができれば、それに気付いて勉強をし始める子もいるかもしれません。
だけどそれって、例えば水泳が全然好きじゃない子に、オリンピックに出るために必死に練習をしろと言っているようなものでは?
確かに、泳げない子に泳ぎ方を教えることには、少しは価値はあるかもしれません。
人生において必ず必要なことだとは思いませんが。
だけど、泳ぐことが好きじゃない子に、オリンピックに出ればいいことがあるよ、と言い続けて速く泳ぐ練習をさせる。
自分は泳ぐことを別に好きでもなく、オリンピック自体、大して価値があるとも思っていないくせに。
なんだろうな、僕はそれが違うと思うんです。
僕自身が生徒に教えたいこと、伝えたいことは、勉強って面白いんだよ、ってことなんです。
上の例えで言うならば、泳ぐことって楽しいんだよ、って。
それがすべきことだと思うんですが。
どうなんでしょうね。
周りを見ている限り、僕が一般的でないのは明らかなんですが。
2006-12-01 23:30
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お久しぶりにコメントさせていただきます。
その塾の経営理念、というと大袈裟ですが、根本にあるのは
偏差値を上げるサービスを売って利益を得る、というところだから、
ではないでしょうか。
「勉強の楽しさを教える」ことを目的とした塾は、
仮に存在したとしても、今の社会において需要が無く、
競争の中で淘汰されてしまうのだと思います。
ナガサキさんの考えは素晴らしいと思いますし、共感を覚えます。
しかし、それを一般的にするには根本にあるもの、
教育で言えば学習指導要領や受験制度の変化は不可欠かと思います。
by tarther (2006-12-09 22:28)
>tartherさん
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
大きな会社になればなるほど、仰るように結果で判断し、されるため仕方のないことだと感じます。
それに、そのありようも間違ってはいないとも…
僕が一番腑に落ちないのは、同僚、つまり講師仲間たちなんです。
僕には、彼らは生徒が根本に持っている問題を抱えたままのくせに、生徒達にそれを乗り越えさせようとしているようにしか見えないのです。
自分たちと同じように、なんとか乗り切らせようとしている人も多いですが…
しかし、僕が生徒だったら、自分ができてないことを、できなかったことを人に言うなよ、ってすごく思うと思うんです…
なぜ、人生で使うことのない数学や理科を勉強しなければいけないの?
と聞かれて、いい学校に入るためには仕方ないんだよ、我慢して頑張れ、と答えるのではいけないと思います。
学校の先生達がこの問いに答えられないからみんなそう考えているのでしょうが…
なんだか脱線した返信になってしまって申し訳ありません…
またよろしければコメントをよろしくお願いします。
by ナガサキ (2006-12-12 00:55)
本文と私のコメントを読み返してみると、
どうにも的外れなコメントをしてしまったようですね…すみません。
これは下記とは関係無いことですが、
ナガサキさんは「なんとなく」や「普通」がお嫌いですか?
因果関係が在るのと無いのでは、在る方が良いと思いますか?
教える側の価値観で(一般的に)最も重要なのはおそらく、お金をもらうことでしょう。
そしてお金をもらう為に雇用主から求められる労働を提供し、
その労働が生徒の成績を上げる結果を生み出すものであれば、
適切な契約に則ってサービスの売買が行われ、
塾と講師、互いの目的は達成されます。
その図式の中に子どもの意思や件の疑問は入っていませんが…。
しかし、それらは成績向上にとって無視した方が効率が良いかもしれません。
泳ぐ理由を考えさせることなく泳がせた方が数字は伸びるかもしれません。
――という考え方が正しいなどとは決して思いませんが、
一般的な価値観の基準がおかしいような気がします。
教育にせよ、報道にせよ、多数派の価値観が存在し、
「なんとなく」「みんなが言うから」動いている人間が多数派を形成する。
その多数派がルールを作り…というスパイラルがある気がします。
by tarther (2006-12-12 03:13)
>tartherさん
はい、ご指摘の通り、僕は「なんとなく」とか、「普通」だとか、「みんながそうだから…」というのがすごく嫌いです。
主体性がないこともその一因ですが、その理屈を応用してしまえば、なんだって許されてしまうと思うのです。
例えば、周りと違う考え方をする人間に対して、一方的かつ曖昧な価値観に依ってその人間を否定したり…そういうのがすごく嫌なのです。
だから、理屈っぽくものを考えてしまいます。
ただ、理屈がないと嫌かというとそうでもなくて。
すごくシンプルな判断も好きです。
シンプルな判断と言うのはとても個人的で、一時的です。
変に自分の判断基準に一般論や、多数派を求めることがおかしいと思うのです。
だって自分はそう思うから。
そういうのが好きです。
本当に、仰る通りだと思います。
成績向上という面に関して言えば、それぞれの個性を、意思を考えず、その場しのぎの授業を行う…
それが自分も、生徒も一番楽で、そこそこの結果がでるやり方な気がします。
ただ、同僚の弁護と言うわけでもありませんが、僕の働いている塾は個別指導であり、またとても給料が安いです。
そのため、みんな自分が担当している生徒のために身を削って頑張っています。アルバイトというよりボランティアだとみんな口を揃えて言っています。
だからこそ、僕はみんなにもう一歩踏み込んで欲しいと思うのですが…
なんというか、中学生の指導って、下手をしたらその生徒の一生に影響を与えかねないと感じます。
ですので、僕はそれがとても怖いです。
by ナガサキ (2006-12-14 03:12)