真っ白な感情

イデオロギーとか、刷り込みとか、通念とか、常識とか。

そういったものに縛られない感情ってあるのかな。
どういうものなんだろう？

なんてずっと気になっていて、空想したりしていたんです。

きっと、僕らの美意識なんて刷り込みが大半だし、
「正しい」も社会の時代性に左右されてしまうような曖昧なものだし。

何にも染められていない、僕らが生まれながらに持っている、
綺麗な真っ白な感情ってあるのでしょうか。

まぁ、結論としてはないんだろうな、ってところです。

自分の専門が神経生物学になったから、神経についていろいろと知識が増えてきて。
それを受けて考えると、どうしても「何にも染められていない」感情なんてあり得ないんだなぁ、と。

ヒトに限らず、脳（神経系一般かも）のでき方には２種類の部分があって。
それが、先天的なものと、後天的なものであり、
つまり、遺伝的なものと、経験的なもの。

ある程度までは、脳はほっとけばできてくるんですが、
仕上げと言うか、後半部分は神経の活動に依存していて。
経験的な部分がないと、脳がきちんとできあがらないわけです。
ってことは、先天的（遺伝的）な部分だけでは感情云々を語れないんじゃないかな…と。

だから、感情っていうのはそれ自体、外界からの刺激がなくてはならなくて、
ってことは外界を否定して感情を語る事自体が…ね。

そんなもんかぁ、と思いつつも、だから面白いのかな、とも思ったり。

でも、ってことは、今の周りの枠を認められない自分が、
誰かの感情を作り出してしまうようなことはできないなぁ…って。
ぼかしてますが、まぁ、そんなことを今書きながら思いました。